こんにちは。配当金は無駄遣いOK派のウージーです。
先日(2019年10月)、2019年中に受け取る配当金の予定額を計算していたのですが、おそらく税引き前で12万円を少し超える程度で落ち着きそうな状況でした。
年間で12万円というと、まぁ配当金生活からは程遠いわけですが、それでも毎月平均で1万円以上の配当金がもらえる状況となったので、これも一つの節目だと感じています。
ただ残念なことに、この12万円の全てが私の自由に使えるわけではなく、実際に私の口座に振り込まれるのは税引き後の金額。
もちろん税金がかかること自体は納得できるのですが、とはいえ支払う税金が少なくて済むのであれば、つまり節税できるのであれば、もちろんその方がありがたいですよね。
節税というと「お金持ちがやることで、庶民には関係無い」と思いがちですが、上場株式からの配当金については庶民の方が税率の面で有利だったりもします。
なので今回は、庶民が配当金をもらったときに節税する方法について書いていきます。
それでは、行ってみましょう。
注意事項
※大前提として、私は税理士などの資格を持っているわけではありません。そのため、私の知識や法解釈が間違っている可能性も充分にあり得ます。他にも法改正によって記事の内容が古くなっている可能性もありますので、最終的には税務署や市区町村の税務関係の部署への確認をお願いします。
また、この記事で想定しているのは、「源泉徴収ありの特定口座で日本の上場企業の株式を保有していて、その企業から配当金を受け取った」という人です。
株の売買による損益がある場合は、また違った判断になる可能性があります。ちなみにNISA口座の場合は元々非課税なので、この記事とは無関係です。
なお、学生や専業主婦(主夫)で家族の扶養に入っている場合などは自分の税金以外のにも、社会保険上の扶養に入れるかどうか、税法上の扶養から外れてしまう可能性は無いか、といった観点からの判断も必要になるので、その点にも注意が必要です。
株式投資をするなら確定申告もした方が良い
株式投資をしている人でも、源泉徴収ありの特定口座で取引を行っている場合、確定申告はしなくても良い事になっています。
売買で利益が出た場合や配当金を受け取ったときなどには自動的に約20%の税金分が源泉徴収され、証券会社がまとめて税金を支払ってくれているからです。
これ自体はとても良い制度で、この制度のおかげで個人投資家が株式投資を始めるためのハードルは大きく下がっていると思います。
また、サラリーマンの場合は会社が給料から税金を源泉徴収して代わりに納税してくれるため、これまた確定申告をする必要がありません。
そのためサラリーマン投資家の中には「株式投資はしているけれど、確定申告はやったことが無い」という人も多いのではないでしょうか。
株取引から得られる利益が少ないうちはそれでも良いと思います。
ですが配当金も含めてある程度の利益が出せる状況になってきた場合は、確定申告を行うことでそれなりの金額を節税できる可能性があります。
確定申告はたしかに面倒な作業ではあるのですが、所得が「給与と株式投資の利益だけ」という人なら、数時間もあれば充分できる作業です。
それに確定申告は、長く株式投資を続けていくのであれば、いずれは通る道だと思います。
だとすれば、なるべく早い段階から確定申告、つまり節税についても意識して学び、実践していくことが、長期的には最もお得な選択、ということになると思います。
課税所得が900万円以下なら、配当控除を活用しよう
上場企業から配当金を受け取った場合、確定申告を利用することで「配当控除」を受けることができる場合があります。
配当控除とは、ざっくり言うと配当金にかかる税金の税率を引き下げることができる、というものです。
そして重要なのは、税率の引き下げ効果が出るのは「課税所得が900万円までの人」に限られるという点です。
課税所得というと、給与控除や扶養控除、社会保険料控除などの各種の控除を差し引いた後の金額なので、いわゆる額面での年収だと1000万円台前半くらいまでの人が当てはまってきます。
つまり、一部の高所得者を除いたほとんどの日本人がこの条件に当てはまると言えます。
配当控除を受けることでどのくらい税金が安くなるのかというと、これは「人によって違う」としか言えませんが、それでも配当金を受け取っている人であればほとんどの場合、確定申告をすることによって税金が安くなる、というのは事実として知っておくべきことです。
配当金にかかる税金の課税方法は3つの中から選べる
税金の「課税方法」と言われても、ピンと来る人の方が少ないと思います。というか私も確定申告の準備を始める頃までは、毎年忘れています。
課税方法とは、これもざっくり言ってしまえば「税金の計算式」です。
基本的には所得の種類によってどの課税方法となるのかは決められているのですが、配当所得については課税方法を選択することができます。
そのため同じ所得であっても、課税方法によって実際に納めることになる税金の額が違ってきます。
なので「自分にとって最も有利な課税方法を選ぶ」というのが節税するうえでの正解となります。
配当所得の課税方法として選ぶことができるのは、以下の3つ。
- 確定申告不要制度(確定申告は不要。源泉徴収されるので何もする必要はない)
- 総合課税(確定申告が必要。配当控除が利用できるが、損益通算はできない)
- 申告分離課税(確定申告が必要。配当控除は利用できないが、損益通算ができる)
さらに、配当金にかかる税金には所得税と住民税の2種類があるのですが、所得税と住民税とで別々の課税方法を選択することも可能です。
特に手続きを取らなければ、住民税の課税方法は所得税と同じ方法となるため、所得税と住民税別々の支払い方法にする場合は確定申告の他に市区町村での手続きが必要です。
具体的な手続き方法は各自治体によって違いますので、確認が必要となります。
ややこしいですよね。
配当金の節税のためにはどの課税方法がベスト?
結局のところ、配当金の節税の観点から見てどの課税方法を選ぶのがベストなのか?
これはその人の所得などの状況によって答えが変わってくるので、一概にこれがベスト、と言えないのが面倒なところです。
なので私なりに、どの課税方法を選べば一番税率が低くなるのか、つまり節税ができるのか、表にまとめてみました。
この表のうち、黄色に色付けしている部分が最も低い税率となっています。
つまり課税所得が900万円以下の人であれば、所得税では総合課税を選択して配当控除のメリットを享受しつつ、住民税では確定申告不要制度を選択するのが最も税率を低く抑えることができることになります。
確定申告は庶民に許された数少ない節税方法
繰り返しになりますが、課税所得900万円以下の人であれば確定申告をすることで節税になります。
課税所得900万円以下というと、私を含めた日本人のほぼ全員が当てはまると思います。
「節税なんてお金持ちだけがすること」ではないのです。
たとえば課税所得金額が330万円以下の人であれば、何もしなければ源泉徴収で20%の税金が取られるところを5%にまで下げることができます。
15%の差は、かなり大きいですよね。
仮に10万円の配当金があるとすると、節税効果は15,000円。
確定申告という数時間の作業で15,000円が手に入る(というか手元に残る)ので、費用対効果としては悪くないと思います。
確定申告というと「難しそうだし、面倒くさい」といった感情が先に立ってしまうのはとてもよくわかります。
でも、証券会社の口座開設ができるくらいの能力がある人なら、できます。
源泉徴収票などの必要な書類をいくつか手元に集めて、あとは数字を入力していくだけです。
所得が給与と配当金だけ、という人なら1時間もかからないかもしれません。
サラリーマンだけを続けていると無意識のうちに「税金とは勝手に取られていき、自分ではどうしようもないモノ」だと考えてしまいがちですが、確定申告をして還付金を受け取るという経験は、そういった思い込みを打破するきかっけにもなると思います。
節税の勉強は、確実なリターンが見込める自己投資
確定申告は確かに面倒ではあるのですが、それでも行動すれば確実に節税という成果が得られるものです。
この点、損失を出す可能性もある株式投資とは対照的です。
株式投資で利益を出すことはもちろん重要ですが、出した利益をなるべく自分の手元に残すことも同じく重要です。
攻めと守りの両輪で自分の資産を拡大していきたいところです。
私もまだまだ勉強中ではありますが、条件次第で確実に成果が得られるという意味では、税金の勉強というのは万人におすすめできる分野です。
この記事が、そんな勉強の一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。
※繰り返しになりますが、私は税理士などではないので、私の知識や法解釈は間違っている可能性もあります。また、法改正によってこの記事の内容が古くなっている可能性もあります。最終的には税務署や市区町村の税務関係の部署への確認をお願いします。